FXの確定申告のやり方を解説|経費にできるもの・申告書の書き方

FXの確定申告のやり方を解説|経費にできるもの・申告書の書き方

FXで利益が出たら、原則として確定申告が必要になります。とはいえ「確定申告なんてやったことがない」「どこに何を書けばいいの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、必要書類の準備から申告書の具体的な書き方、e-Taxでの提出方法までをステップ形式でやさしく解説します。はじめての確定申告でも迷わず進められるよう、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

目次

FXの確定申告に必要な準備

確定申告をスムーズに進めるためには、事前の準備がとても大切です。いざ申告書を作り始めてから「あの書類がない」と慌てないよう、必要なものを先にそろえておきましょう。ここでは、最低限用意しておきたい3つのポイントを紹介します。

年間取引報告書をダウンロードする

FXの確定申告でもっとも重要な書類が「年間取引報告書」です。これはFX会社が1年間(1月1日〜12月31日)の取引結果をまとめてくれる書類で、売買による損益やスワップポイント(通貨間の金利差で毎日発生する損益)の合計額が記載されています。

多くのFX会社では、毎年1月中旬〜下旬ごろにマイページからPDFでダウンロードできるようになります。会社によっては「期間損益報告書」や「取引残高報告書」など名称が異なることもありますが、内容はほぼ同じです。複数のFX会社で取引している場合は、すべての会社からダウンロードしておきましょう。

経費の領収書やレシートを整理する

FXの利益を申告するとき、取引にかかった費用を「必要経費」として差し引くことができます。経費が多ければ課税される金額が減り、結果として税金も少なくなります。

代表的な経費には、次のようなものがあります。

  • FX関連の書籍や有料メルマガの購読料
  • FXセミナーへの参加費や、セミナー会場までの交通費
  • 取引に使うパソコンやモニターの購入費(FX専用であれば全額、兼用であれば使用割合に応じた金額)
  • インターネット回線の通信費(こちらも使用割合に応じて按分)

これらの支出について、領収書やレシート、クレジットカードの明細などを保管しておきましょう。1年分をまとめて探すと大変なので、日ごろからFX関連の支出は封筒やフォルダにまとめておく習慣をつけるのがおすすめです。なお、経費にできるものの詳しい一覧や判断基準は別の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はそちらもあわせてご覧ください。

マイナンバーカードまたは通知カードを用意する

確定申告ではマイナンバー(個人番号)の記載が必要です。マイナンバーカードがあれば、本人確認書類としてもそのまま使えるので、1枚で済みます。

マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カード(またはマイナンバーが記載された住民票)と、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を組み合わせて提出します。ただし、あとで説明するe-Tax(電子申告)を使うにはマイナンバーカードが必要になるため、まだ持っていない方はこの機会に申請しておくと便利です。

確定申告書の書き方(FX部分)

準備ができたら、いよいよ申告書の作成に入ります。FXの利益は「申告分離課税」(ほかの所得とは分けて、一律の税率で計算する方式)の対象なので、通常の所得とは記入する場所が異なります。ここでは、実際にどの欄に何を書くのかを見ていきましょう。

「先物取引に係る雑所得等」の欄に記入する

FXの利益は、税務上「先物取引に係る雑所得等」に分類されます。少しむずかしそうな名前ですが、要するに「FXやCFDなどのデリバティブ取引で得た利益を書く場所」と思ってください。

確定申告書には本体の「申告書B(第一表・第二表)」に加え、「先物取引に係る雑所得等の明細書(申告書付表)」と「申告書第三表(分離課税用)」を使います。名前が多くて混乱しそうですが、国税庁のオンライン作成コーナーを使えば画面の案内にしたがって入力するだけなので、どの用紙に書くかを意識する必要はほとんどありません。

収入金額と必要経費の記入例

ここでは具体的な数字を使って、記入のイメージをつかんでみましょう。たとえば、1年間のFXの結果が次のようだったとします。

  • 売買損益(為替差益):25万円
  • スワップポイントによる利益:5万円
  • 必要経費の合計:5万円(書籍1万円、通信費2万円、セミナー参加費2万円)

この場合、「先物取引に係る雑所得等の明細書」には次のように記入します。まず「種類」の欄には「外国為替証拠金取引」と書きます。「取引の内容」の欄には「通貨ペア名(例:USD/JPY)」と「差金決済」と記入します。

「総収入金額」の欄には、売買損益とスワップポイントを合計した30万円を記入します。「必要経費等」の欄には経費の合計5万円を記入します。すると「所得金額」は30万円−5万円=25万円になります。

この25万円に対して、税率20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)がかかります。計算すると25万円×20.315%=50,787円が納める税金の目安です。このように、経費をきちんと計上することで、課税される金額を減らせるのがポイントです。

e-Taxで申告する手順

申告書は税務署に紙で提出することもできますが、自宅からオンラインで完結するe-Tax(イータックス=国税の電子申告システム)を使うのが断然おすすめです。24時間いつでも提出でき、還付がある場合は処理も早くなります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーの使い方

e-Taxでの申告は、国税庁の公式サイトにある「確定申告書等作成コーナー」から行います。画面の案内に沿って進めるだけで申告書が自動作成されるため、税務の知識がなくても心配いりません。大まかな流れは次のとおりです。

  • 国税庁のサイトにアクセスし、「確定申告書等作成コーナー」を開く
  • 「作成開始」をクリックし、提出方法(e-Tax/印刷して提出)を選ぶ
  • 「所得税」を選択し、画面に従って給与所得などの情報を入力する
  • 「分離課税の所得」の画面で「先物取引に係る雑所得等」を選び、年間取引報告書の数字を入力する
  • 経費がある場合は「必要経費」の欄に金額を入力する
  • すべての入力が終わったら、内容を確認して送信する

入力画面では「収入金額」「必要経費」などの項目名が表示されるので、先ほど準備した年間取引報告書の数字をそのまま転記していけば大丈夫です。途中で保存もできるため、一度に全部終わらせる必要はありません。

マイナンバーカードを使ったオンライン提出

作成した申告書をオンラインで提出するには、マイナンバーカードによる本人認証が必要です。認証の方法には2つのパターンがあります。

1つ目はスマートフォンを使う方法です。マイナポータルアプリをインストールし、スマートフォンにマイナンバーカードをかざして読み取ります。パソコンで作成コーナーを開いている場合でも、スマートフォンで二次元コードを読み取って認証できるので、ICカードリーダーがなくても問題ありません。

2つ目はICカードリーダーを使う方法です。パソコンにICカードリーダーを接続し、マイナンバーカードを読み取って送信します。どちらの方法でも、送信が完了すると「受付完了」の画面が表示されます。この画面のスクリーンショットを保存しておくと、あとで確認できるので安心です。

なお、確定申告の期間は原則として毎年2月16日〜3月15日です。期限を過ぎると延滞税やペナルティが発生する場合があるので、早めに準備して余裕をもって提出しましょう。

損失が出た場合の申告(繰越控除)

「今年はFXで損をしてしまった」という場合、確定申告は不要だと思っていませんか。実は、損失が出た年こそ申告しておくことが大切です。その理由は「繰越控除(くりこしこうじょ)」という仕組みにあります。

損失の繰越控除を使えば翌年以降の税金が減る

繰越控除とは、FXで出た損失を最大3年間にわたって翌年以降の利益と相殺できる制度です。たとえば、次のようなケースを考えてみましょう。

  • 1年目:50万円の損失 → 確定申告で損失を届け出る
  • 2年目:30万円の利益 → 1年目の損失50万円と相殺し、課税所得はゼロ(残り繰越20万円)
  • 3年目:30万円の利益 → 繰り越した20万円と相殺し、課税所得は10万円

もし繰越控除を使わなかった場合、2年目は30万円×20.315%=60,945円、3年目も30万円×20.315%=60,945円で、合計121,890円の税金を支払うことになります。一方、繰越控除を使った場合は、2年目の税金はゼロ、3年目は10万円×20.315%=20,315円で、合計20,315円です。その差は約10万円にもなります。

損失でも申告しておくべき理由

この繰越控除を使うには、損失が出た年に確定申告をしておくことが絶対条件です。「利益が出ていないから申告しなくていいや」と思ってその年の申告をスキップしてしまうと、翌年以降に利益が出ても過去の損失と相殺する権利を失ってしまいます。

さらに重要なのは、繰越控除を利用する期間中は、利益が出ても出なくても毎年連続して確定申告を行う必要があるという点です。たとえば1年目に損失を申告しても、2年目に申告をしなければ、3年目にその損失を使うことはできません。少し手間に感じるかもしれませんが、数万円〜数十万円の節税につながる可能性があるので、損失が出た年は忘れずに申告しておきましょう。

口座選びで意識したいポイント

確定申告の作業をできるだけ楽にするためには、口座を選ぶ段階でいくつかのポイントを意識しておくと後が楽になります。

年間取引報告書の取得しやすさ

FX会社によって、年間取引報告書のダウンロード方法や表示形式はさまざまです。マイページにログインするだけでワンクリックでPDFをダウンロードできる会社もあれば、期間を手動で指定して出力する必要がある会社もあります。

また、報告書に記載される項目の見やすさも会社ごとに異なります。売買損益、スワップ損益、手数料などが明確に分かれている報告書のほうが、確定申告の入力がスムーズです。口座を開設する前に、報告書の取得方法やサンプル画面を公式サイトで確認しておくとよいでしょう。

複数口座の損益を合算する方法

FXの確定申告では、複数のFX会社で取引していた場合、すべての口座の損益を合算して申告します。A社で20万円の利益、B社で10万円の損失があれば、合計10万円が課税対象です。

この合算作業をスムーズに行うには、それぞれの口座から年間取引報告書をダウンロードし、利益と損失を一覧にまとめる必要があります。口座が増えるほど管理の手間も増えるので、特に初心者の方はメインで使う口座を1〜2社に絞っておくのがおすすめです。利用する口座数が少なければ、報告書の取得も合算作業もぐっと楽になります。

まとめ

FXの確定申告は「年間取引報告書の準備→申告書への記入→e-Taxで提出」の3ステップで完了します。経費を正しく計上すれば節税にもつながります。損失が出た年も繰越控除のために必ず申告しておきましょう。はじめは戸惑うかもしれませんが、一度やれば翌年からはスムーズに進められます。

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