MT4やMT5のインジケーターやEA(自動売買プログラム)には、アラートをメールやスマホのプッシュ通知で受け取れる機能がついているものがあります。しかし、これらの通知を使うにはMT4やMT5側で事前に設定が必要です。この記事では、プッシュ通知・メール通知・サウンド通知の設定手順を、はじめての方にもわかるようにひとつずつ丁寧に解説します。
MT4・MT5の通知方法は4種類ある
MT4やMT5で利用できる通知方法は、ポップアップ通知・プッシュ通知・メール通知・サウンド通知の4種類です。それぞれの特徴と、事前設定が必要かどうかをまとめます。
ポップアップ通知(設定不要)
パソコンの画面上にメッセージウィンドウが表示される通知方法です。MT4やMT5側の事前設定は不要で、インジケーターやEAのパラメータでONにするだけで使えます。パソコンの前にいるときはもっとも手軽な通知方法です。
ただし、パソコンの画面を見ていないと気づけないという弱点があります。外出中や別の作業をしているときは、次に紹介するプッシュ通知やメール通知のほうが便利です。
プッシュ通知(事前設定が必要)
スマートフォンにインストールしたMT4やMT5のアプリに通知を送る方法です。スマホのロック画面に通知が表示されるので、外出中でもすぐに気づけます。パソコンから離れていてもトレードチャンスを逃したくない方におすすめです。
プッシュ通知を使うには、スマホアプリでMetaQuotes ID(メタクオーツID)という固有の番号を確認し、パソコン版のMT4やMT5に入力する設定が必要です。設定手順はこの記事のあとのセクションで詳しく説明します。
メール通知(事前設定が必要)
指定したメールアドレスにアラートメールを送信する方法です。GmailやYahoo!メールなどのフリーメールが使えます。普段使っているメールアドレスに届くので、メールチェックの習慣がある方には便利です。
メール通知を使うには、MT4やMT5にSMTPサーバー(メールを送信するためのサーバー)の情報を入力する設定が必要です。GmailやYahoo!メールのどちらを使うかによって入力内容が異なりますので、この記事のあとのセクションでそれぞれ説明します。
サウンド通知(基本は設定不要)
パソコンのスピーカーからアラート音を鳴らす通知方法です。MT4やMT5には最初から「alert.wav」というアラート音ファイルが入っているので、インジケーターやEAのパラメータでサウンドをONにするだけで音が鳴ります。基本的には事前設定なしでそのまま使えます。
アラート音を好きな音に変えたい場合だけ、音声ファイルをSoundsフォルダに配置する作業が必要です。やり方はこの記事のあとのセクションで説明します。
プッシュ通知の設定手順
スマートフォンでアラートを受け取るためのプッシュ通知の設定手順を説明します。大きく分けて「スマホ側の準備」と「パソコン側の設定」の2ステップです。パソコン側の設定はMT4とMT5で画面が異なるので、それぞれ分けて説明します。
スマホ側の準備(MetaQuotes IDを確認する)
まず、スマートフォンにMT4またはMT5のアプリをインストールしてください。App StoreまたはGoogle Playで「MetaTrader 4」や「MetaTrader 5」と検索すると見つかります。すでにインストール済みの方はそのままで大丈夫です。
次に、スマートフォン本体の設定でMT4やMT5アプリの通知を許可します。iPhoneの場合は「設定」アプリを開き、「通知」からMetaTrader4またはMetaTrader5を選んで「通知を許可」をONにしてください。Androidの場合は「設定」の「アプリ管理」からMetaTrader4またはMetaTrader5を選び、通知を許可してください。この設定がOFFのままだと、プッシュ通知が届きませんのでご注意ください。
通知の許可ができたら、MetaQuotes IDを確認します。MetaQuotes IDとは、プッシュ通知の送信先を特定するための固有の英数字です。スマホアプリを開き、以下の手順で確認してください。
MT4・MT5どちらも同じ手順です。アプリを開き、画面左上のメニューアイコン(≡)をタップして「設定」を開くと、MetaQuotes IDが表示されています。この英数字をメモしてください。
メモしたMetaQuotes IDは、このあとパソコン側の設定で使います。
PC側の設定(MT4の場合)
パソコンでMT4を起動し、画面上部のメニューから「ツール」→「オプション」をクリックします。オプション画面が開いたら「通知機能」タブをクリックしてください。
「プッシュ通知機能を有効にする」にチェックを入れ、「MetaQuotes ID」の欄に、先ほどスマホアプリで確認したIDを入力します。入力できたら「テスト」ボタンをクリックしてみてください。スマートフォンに「Test message」のような通知が届けば設定成功です。最後に「OK」をクリックして画面を閉じてください。
なお、「トレード処理を通知する」というチェックボックスもありますが、これは注文の約定時に通知を受け取る機能です。インジケーターのアラートとは関係ないので、必要に応じてON/OFFしてください。
PC側の設定(MT5の場合)
パソコンでMT5を起動し、画面上部のメニューから「ツール」→「オプション」をクリックします。オプション画面が開いたら「通知」タブをクリックしてください。MT4では「通知機能」タブでしたが、MT5では「通知」という名前になっています。
「プッシュ通知機能を有効にする」にチェックを入れ、「MetaQuotes ID」の欄にスマホアプリで確認したIDを入力します。「テスト」ボタンをクリックして、スマートフォンに通知が届くことを確認してください。届いたら「OK」をクリックして設定完了です。
メール通知の設定手順(MT4・MT5共通)
メール通知の設定は、MT4とMT5でほぼ同じ手順です。どちらも「ツール」→「オプション」を開き、「E-メール」タブ(MT5では「Eメール」タブ)で設定を行います。ここではGmailとYahoo!メールの2つのケースを説明します。
Gmailで設定する場合
Gmailを使ってMT4やMT5からメールを送信するには、Googleアカウントで「アプリパスワード」を発行する必要があります。アプリパスワードとは、MT4やMT5のような外部のアプリケーションからGoogleアカウントにログインするための専用パスワードです。普段Googleにログインするときに使っているパスワードとは別のものです。
アプリパスワードを発行するには、Googleアカウントで2段階認証(ログイン時にスマートフォンに確認コードが届く仕組み)が有効になっている必要があります。2段階認証がまだ有効になっていない方は、先にGoogleアカウントのセキュリティ設定から2段階認証を有効にしてください。
アプリパスワードの発行手順は以下のとおりです。
- パソコンのブラウザでGoogleアカウント管理ページにログインし、左メニューの「セキュリティ」をクリックします。
- 「Googleにログインする方法」セクションの中にある「2段階認証プロセス」をクリックします。
- 画面を下にスクロールして「アプリパスワード」をクリックします。
- アプリ名を入力する欄が表示されるので、「MT4」など自分がわかりやすい名前を入力して「作成」をクリックします。
- 16桁のアプリパスワードが表示されるので、メモしてください。この画面を閉じると二度と表示されないので、必ずこの時点でメモしてください。
アプリパスワードを取得できたら、MT4またはMT5を起動して「ツール」→「オプション」を開き、「E-メール」タブで以下のように入力します。
- 有効にする:チェックを入れます。
- SMTPサーバー:smtp.gmail.com:465 と入力します(誰でも同じです)。
- SMTPログインID:Gmailのメールアドレスをそのまま入力します(例:example@gmail.com)。
- SMTPパスワード:先ほど発行したアプリパスワード(16桁)を入力します。普段使っているGoogleのログインパスワードではありません。
- 発信元:Gmailのメールアドレスを入力します(SMTPログインIDと同じでOKです)。
- 送信先:アラートメールを受け取りたいメールアドレスを入力します。Gmailのアドレスでも、Gmail以外のアドレスでもかまいません。
すべて入力できたら「テスト」ボタンをクリックしてください。「メッセージはクォートされました」と表示され、送信先のアドレスに「Test message」という件名のメールが届けば設定成功です。最後に「OK」をクリックして画面を閉じてください。
Yahoo!メールで設定する場合
Yahoo!メールを使う場合は、まずYahoo!メール側でPOP/IMAPアクセスを有効にしておく必要があります。Yahoo!メールにログインし、右上の「設定・その他」から「メールの設定」を開いてください。「POP/IMAPアクセスと転送」の項目で「Yahoo!公式サービス以外からのアクセスも有効にする」にチェックを入れて保存します。
次に、MT4またはMT5を起動して「ツール」→「オプション」を開き、「E-メール」タブで以下のように入力します。
- 有効にする:チェックを入れます。
- SMTPサーバー:smtp.mail.yahoo.co.jp:465 と入力します。
- SMTPログインID:Yahoo! JAPAN IDを入力します(メールアドレスの@より前の部分です)。
- SMTPパスワード:Yahoo! JAPAN IDのパスワードを入力します。
- 発信元:Yahoo!メールのメールアドレスを入力します(例:example@yahoo.co.jp)。
- 送信先:アラートメールを受け取りたいメールアドレスを入力します。
すべて入力できたら「テスト」ボタンをクリックしてください。送信先のアドレスに「Test message」という件名のメールが届けば設定成功です。
テスト送信で動作確認
GmailでもYahoo!メールでも、設定が終わったら必ず「テスト」ボタンで動作確認を行ってください。テストメールが届かない場合は、入力した内容に誤りがないかをひとつずつ確認しましょう。よくあるミスとしては、SMTPサーバーの末尾のポート番号(:465)を忘れている、パスワードに全角文字や余計なスペースが入っている、Gmailの場合にアプリパスワードではなく通常のログインパスワードを入力している、といったものがあります。
テストメールの送信処理の結果は、MT4の場合は画面下部のターミナルウィンドウの「操作履歴」タブに表示されます。MT5の場合は画面下部のツールボックスの「操作履歴」タブです。「Mail: ‘Test message’ has been sent」と表示されていれば送信は成功しています。それでもメールが届かない場合は、受信側の迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認してください。
サウンド通知の設定手順
サウンド通知は、パソコンのスピーカーからアラート音を鳴らす通知方法です。インジケーターやEAのパラメータでサウンドをONにするだけで使えますが、ここではカスタムサウンドの設定方法も含めて説明します。
デフォルトのalert.wavならそのまま使える
MT4やMT5には、最初から「alert.wav」というアラート音ファイルが用意されています。インジケーターのパラメータでサウンドファイル名が「alert.wav」になっている場合は、特に何もしなくてもアラート音が鳴ります。
もし音が鳴らない場合は、パソコンの音量がミュートになっていないか、スピーカーが接続されているかを確認してください。また、MT4やMT5の「ツール」→「オプション」→「イベント」タブ(MT5では「イベント」タブ)で「音声アラートを有効にする」にチェックが入っていることも確認してください。ここのチェックが外れていると、すべての音声が無効になります。
好きな音に変えたい場合
デフォルトの「alert.wav」以外の音を使いたい場合は、WAV形式(ファイル名の末尾が.wav)の音声ファイルを用意して、MT4やMT5のSoundsフォルダに配置します。手順は以下のとおりです。
- 使いたい音声ファイル(WAV形式)を用意します。フリーの効果音サイトからダウンロードするなどして入手してください。MP3形式のファイルは使えないので、必ずWAV形式を選んでください。
- MT4またはMT5を起動し、画面上部のメニューから「ファイル」→「データフォルダを開く」をクリックします。エクスプローラーが開きます。
- 開いたフォルダの中に「Sounds」というフォルダがあるので開いてください。ここにデフォルトの「alert.wav」などのファイルが入っています。
- 用意したWAVファイルをこのSoundsフォルダにコピーしてください。
- インジケーターやEAのパラメータで、サウンドファイル名をコピーしたファイル名に変更すれば完了です。
注意点として、Soundsフォルダの場所は「ファイル」→「データフォルダを開く」から辿る場所にあります。MT4やMT5のインストール先(Program Filesの中)にもSoundsフォルダが存在する場合がありますが、そちらではなく「データフォルダを開く」で開いた先のSoundsフォルダにファイルを入れてください。間違えると音が鳴りません。
通知が届かないときの確認ポイント
設定したはずなのに通知が届かない場合、いくつかのよくある原因があります。通知の種類ごとに確認ポイントをまとめます。
プッシュ通知が届かない場合
まず確認してほしいのは、スマートフォン本体の通知設定です。iPhoneの場合は「設定」→「通知」→MetaTrader4またはMetaTrader5で「通知を許可」がONになっているか確認してください。Androidの場合も同様に、アプリの通知が許可されているかを確認してください。ここがOFFだと、いくらMT4やMT5側で設定しても通知は届きません。
次に、MetaQuotes IDが正しく入力されているかを確認してください。IDの打ち間違いが意外と多いです。パソコン版MT4やMT5のオプション画面で「テスト」ボタンをクリックして、スマホに通知が届くか試してください。
また、パソコン版のMT4やMT5が起動していないとプッシュ通知は送信されません。パソコンがスリープ状態やシャットダウンしている場合も通知は届きません。外出中にプッシュ通知を受け取りたい場合は、パソコンとMT4やMT5を起動したままにしておく必要があります。
メール通知が届かない場合
まず、MT4やMT5の画面下部にある「操作履歴」タブを確認してください。メール送信に関するログが表示されています。「Mail: error connecting to…」と表示されている場合はSMTPサーバーの入力に誤りがあります。「Mail: login to… failed」と表示されている場合は、ログインIDまたはパスワードが間違っています。
Gmailを使っている場合、とくに多いのが「アプリパスワードではなく通常のGoogleパスワードを入力してしまっている」というミスです。Gmailの場合は必ずアプリパスワード(16桁の英字)を入力してください。通常のGoogleアカウントのパスワードではログインできません。
ログに「Mail: ‘Test message’ has been sent」と表示されているのにメールが届かない場合は、送信自体は成功しています。受信側のメールサービスで迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認してください。また、送信先メールアドレスに入力ミスがないかも確認しましょう。
サウンドが鳴らない場合
パソコンの音量がミュートになっていないか、スピーカーが正しく接続されているかを最初に確認してください。意外と見落としがちなポイントです。
次に、MT4やMT5の「ツール」→「オプション」→「イベント」タブで「音声アラートを有効にする」にチェックが入っているか確認してください。ここのチェックが外れていると、すべてのサウンド通知が無効になります。
カスタムのサウンドファイルを指定している場合は、ファイルが正しいSoundsフォルダに入っているか、ファイル名がインジケーターのパラメータで指定した名前と完全に一致しているか(大文字・小文字やスペースも含めて)を確認してください。ファイル名を間違えると音は鳴りません。
まとめ
プッシュ通知はMetaQuotes IDの入力、メール通知はSMTPサーバー情報の入力、サウンド通知はカスタム音声ファイルの配置がそれぞれのポイントです。一度設定すればあとは自動で通知が届くようになるので、この記事を見ながらぜひ設定してみてください。

